この春、Grace280にシンキングチューンを施したモデル「Grace280S」が登場します。
市場的には根掛かりの危険性の少なさからかフローティングの比率が圧倒的に高いのですが、ここにきてなぜシンキング?
その理由はたった一つ、「釣るため」です。
これまではGarce280Fに板オモリを貼って任意のレンジまで沈めて使用していました。
私自身ジョイクロを使い始めてからGraceに至るまで、S字系ビッグベイトはシンキングにして使用することが多かったんです。
それは琵琶湖だけでなく、野池でもリザーバーでも。
その理由がアクションレスポンスとバスの目線です。
常にボディ全体が水に使っていることやラインの重みでリトリーブできることから、泳ぎだしの良さや水馴染みの良さはどうしてもシンキングに軍配が上がり、特にスローリトリーブでは大きな差が生まれます。
また、ピックアップ目前の軌道が上に変わる瞬間に食ってきたという経験があまりに多く、それを意図的に演出できるようになってからは飛躍的にビッグベイトでバイトを得られるようになりました。
Grace280Sは、その上昇軌道のシーンにおいてより魅力的な姿勢を目指しました。
まずはフォール姿勢。
ビッグベイトとしては珍しいやや尻下がりの姿勢です。
逃げ惑う魚は多くの場合頭を上に向けているはずです。
ミドストやワインドもそうなのですが、これまでの経験からバスは急浮上するようなアクションでスイッチが入る場面が非常に多く、上に上にと逃がしたいのにココ一番のワンアクションで下方向につんのめってしまってバスが白けてしまいせっかくのチャンスを逃してしまうことに。
これを防ぐための尻下がりの姿勢です。
ちなみにフローティングモデルは水面でもしっかりと顔面付近の喫水を確保して泳ぎ出しを良くするために、水平な浮き姿勢に設定してあります。
これにスナップやラインの重さで少し頭を下げることで泳ぎだしのきっかけを作っています。
続いてウエイト配置。
エラ付近に設けられた可動式の大型ウエイト兼ラトルは固定ウエイトに変更したうえでガッツリ低重心化。
これにより連続トゥイッチでも「エビる」ことがほとんどありません。
Grace280Sは、水深1m以下のシャローでもテストを重ね開発されました。
尻下がりの姿勢が「巻いたら潜っていく」のを防ぎ、水面直下でもゆーっくり巻くことができます。
ウエイトにして約8gアップ。
単純に板オモリを貼る手間も省けるというのも大きな魅力です。
フローティングモデルに10g近くの板オモリを貼っていたのと比較すると、随分楽にセッティングできるようになりました。
箱出しの状態ではシャローエリアにも対応可能な遅めのシンキングスピード。
さらに深いレンジ、例えば5m付近を攻めたい場合、2~6g程度まで任意の重さの板オモリを貼ってあげればセッティング完了。
板オモリを貼る場合は、姿勢を崩さないフロントフックの後ろあたりがおススメです。
ボトム付近をじっくりと巻いて釣りたい場合はフロントフック前に貼ってみてください。
このように板オモリをカットしてウエイトを記入して準備しておくと便利です。
【タイプによる使い分けは?】
ゴトっ、ゴトっというラトル音で誘いたい場合や水面~中層で使いたい場合はフローティングモデルを使用し、状況に応じてシンキングチューン。沈めて使いたい場合や上昇軌道で仕掛けたい場合、サイレントなアプローチをしたい場合はシンキングモデルという使い分けがメインになりそうです。
シンキングモデルの登場によって明確な使い分けができるようになり、Grace280は盤石の布陣となります。
これまでビッグベイトはフローティングだけ使っていたという方はぜひシンキングも使ってみてください!
きっと攻略の幅が広がるはずです。